講演会:赤色立体地図で検証する多摩丘陵の古街道遺


公益信託 大成建設 自然歴史環境基金助成事業

古街道科学検証の実践講座Ⅲ

千葉達朗さん〈アジア航測㈱〉講演会


【テーマ】

赤色立体地図で検証する多摩丘陵の古街道遺構

 

【会場】多摩市関戸公民館8階大会議室   35名

【時間】14:00~16:00

【講師】千葉達朗さん

 

【内容】

地理空間科学の研究において大注目の「赤色立体地図」を発明された千葉達朗さんに、

・赤色地図から読み解く大地の歴史、中世の城跡、古道の様相、

・多摩丘陵の古街道群を検証する上でどのように捉えていけば良いのか、

・現地の様相を踏査された上での感想、

などについて、お話をしていただきました。

 

【コロナ対策】マスク着用・手指の消毒・検温/窓とドアはすべて解放/ソーシャルデスタンスで机なしの椅子のみ

 

千葉達朗(ちば たつろう)講師

 アジア航測株式会社先端技術研究所

 千葉研究室 室長 

地形地質、第四紀学、防災の専門家、赤色立体地図を2002年に発明、 その普及に力を注ぐあらゆるデータの可視化について研究中。 宮城県石巻市出身。相模原市在住

赤色立体地図(英語: Red Relief Image Map)は、地形の可視化手法の1つで、2002年に講師の千葉達朗さんが発案したものです。 

数値標高データ(DEM)から、傾斜量を赤色の彩度で、尾根谷度を明度にして調製した全く新しい地形の立体表現手法です。

講演会では、下記の資料をパワーポイントを使用してわかりやすく説明していただきました。

 

1.レーザ測量

2.赤色立体地図の母は青木ヶ原樹海

3.赤色立体地図

4.万里の長城とピラミッド

5.現地写真

・町田市小野路町付近の赤色立体地図

・赤色立体地図で見る多摩丘陵

 

団の活動で歩いているところを、赤色立体地図を持って歩くと別な風景に見えるかもしれません。

少し難しいところもありましたが、大変勉強になりました。

 

赤色立体地図の特徴 

等高線図では表現できない線と線の間の情報も可視化でき、すべての地形データを見ることができます。

陰影図と違って、どの方向から見ても目の錯覚による凹凸反転は生じず、一定方向が影で覆われてしまうこともありません。その上、名前は「赤」色立体地図ですが、「赤」色以外の彩色や空中写真などの色を使った立体描画も可能です。

 赤色立体地図の作成は、スケールを問わず地形標高データであれば、空中写真測量や現地測量による既存の等高線データ(3次元DMなど)でも、お手持ちのDEMデータでも、市販の数値地図(標高)からでも、どのようなデータからでも作成可能です。

 

特に、航空レーザ計測で作成した高精度DEM/DSMを使って作成すれば、赤色立体地図の効果・威力は倍増し、たとえ樹木に覆われた森林地帯であろうとも、地形がくっきり浮かび上がり、これまで見ることのできなかった土地のすがたを見ることができます。

これまでの事例では、溶岩流や土石流、昔の河川の痕跡、また、人ひとりが歩ける程度の登山道も見つけ出すことができました。岩がゴツゴツと転がっている山と、笹などが生えている山の表面の様子の違いさえも表現することができます。

ー講演会の様子ー